アーキスタジオ／有限会社 阿部直人建築研究所
​Archi Studio/Naoto Abe Laboratory of Architecture Inc

一人暮らしのお年寄りが家に閉じこもらないで、一緒にお茶を飲みながら楽しく話ができるような場所、誰もがぶらりと自由に立ち寄れる「地域のたまり場」をつくりたいという施主さんの強い要望から計画がはじまりました。
そのため、いろんな方が思い思いの場所でゆっくり過ごすことができるように、広くて天井の高い所や、こじんまりして隠れ家のような小さな所、屋外テラスから続くストーブのある内部の土間空間、濡縁など、内外に多様な居場所をつくりました。
昔の民家は家族だけでなくいろんな人が出入りし、家事のほかに仕事や冠婚葬祭まで、様々な営みが住宅の中で行われてきました。そこで、大屋根を支える柱、梁、束などがあらわれた昔の茅葺の民家と同じつくり方をすることで、懐かしさを感じながらいろんな居場所や出来事をおおらかに包み込む包容力のある建築によって施主さんの思いに応えようとしました。